一番おいしい教科書を決める。

はじめまして、あきじと申します。

 

ちょっと待ってください。

 

これは教科書を食べている時の写真なんです。冴えないオタクが腰に手を当ててかっこつけているんじゃないんです。結果的にはそうなのかもしれないけど違うんです。

 

ここに至るまでにはそれなりの経緯があります。それを説明させてください。

 

まずみなさん、この噂を知っていますか?

 

この言葉は小学生時代の自分が言っていたものです。

ここで「え?そんな内輪ネタをわざわざ検証するんですか?恥ずかし~www」と思ったカスどもへ

実はこの噂はテレビ番組で放送されるほど認知されています。

 

 

二番目に出てくる検索結果は気にしたらダメです。

 

これで分かる通り、ある程度この考えは広まっているのです。少なくとも風間トオルさんには伝わります。

ですがちょっと待ってください。これ本当ですか?

国語という科目は子供にとって退屈なものです。その結果として教科書を口に運ぶ回数が増え、「嘘の情報」が広まっている可能性が高いです。

今の小学生が本当に美味しい教科書を食べるためにも、先輩が検証するしかありません。

 

1.準備

とにかく、食べるものを用意しなければ始まりません。

新大久保駅から徒歩数分。小、中、高のあらゆる教科書類を売っている。


審議する対象には一年生からある「国語・算数・生活・音楽・図画工作・道徳」に、三年生から始まる「社会・理科」の二つを加えます。

使用する教科書は私が小学校で使っていた以下の8つです。

あたらしいこくご一上 (東京書籍)
あたらしいさんすう1.1 (東京書籍)
あたらしいせいかつ上 (東京書籍)
あたらしいどうとく1 (東京書籍)
新しい社会3 (東京書籍)
新しい理科4 (東京書籍)
ずがこうさく 1.2上 わくわくするね (開隆堂)
おんがくのおくりもの1 (教育出版)

 

レジに並ぶ男性にガン見されながら会計を済ませます。大学受験の参考書を買いに来たような浪人生然とした奴が小学校の教科書を買い込んでいるのは不気味に見えたでしょう。

購入物のレシート

かかった費用は想像よりも安かったです。

 

音楽の教科書を紛失して先生にブチ切れられたことがありますが、小学生の時の教科書を無くしたら終わりという感覚は何だったんでしょうか。今となっては食用に購入しても全く怒られません。歳をとることの特権ですね。

 

流石に食うだけではもったいないので、ちゃんと教科書を使って勉強します。

 

ちなみに算数の教科書は爆速で終わらせられます。「子供に戻って大人知識で無双」することができるので、ストレスが溜まっている方にお勧めです。

 

この写真を撮った後、数時間かけてすべての教科書からある程度、知識を学び終えました。天童市明石市の歴史なんて、わざわざ教科書を買わない限り知れなかったでしょう。多分、一週間後には忘れている気がします。

あとは残った教科書を食べるだけです。

 

2.実食

 

素晴らしい快晴に恵まれ、夏と錯覚するほど気温も高まっています。それは当日に撮り忘れ、仕方なく代用されることになったフリー画像の空からも伝わるでしょう。

 

今回の検証を行うにあたって、私の他にも審査員を招きました。ここで各審査員について軽く説明します。

 

「何でも食べる同級生」の一人。しかし、虫が苦手なためその対象は無機物に限られていた。「何でも食べる同級生」界では最弱。
好きな教科書は国語

 

教師の目の前で紙をいきなり食らうことに快楽を見出していた狂人。
紙以外のあらゆるものにも精通していた。
小学生の頃のあだ名はヤギ

好きな教科書は国語

 

この二人で審査していきます。

 

2.1 審査開始

(ここからは実際の録音を基に会話形式でお伝えします)

まぁこっから食べていくわけだけど、どこから行こうか?とりあえず調達したの全部見せるから選んでみてよ。

 

まぁ最初だし、安定の国語でいいんじゃない?これを基準点にしよう。

 

2.2 国語

贅沢に挿絵のリンゴを頂きます。コソコソ端っこばかりを食べていたあの頃とは違い、堂々と教科書のトロの部分だけを食べられます。

 

うん、旨い。まず食った時の風味がいい。咀嚼した後に旨味がずっと出るからガムにもなる。*1

久しぶりの教科書を味わう


冒頭の場面に至った理由が分かったでしょうか?
結論としては「オタクが腰に手を当てながら教科書を食べている」だけです。何も違うことなんてありませんでした。冒頭の一枚とこれしか食べている風景を撮っていなかったので、写真を見た時は絶望しました。

ムシャムシャ….旨い

 

久しぶりの教科書を貪る

 

すごいちゃんと味わって食べるね。….今、思い出したんだけど文章の部分を食べ過ぎて、音読が出来なくなってて叱られたことがあったんだよね、そういう経験とかある?

 

そういう経験はないけど、プリントを丸ごと食べて提出できなかった課題はある。

 

 

なんとなく食べ過ぎてしまった自分と、明確に食べてはいけない課題を食べた友人。僕としてはかなり重めの思い出を語ったつもりでしたが、それ以上で返してきました。ふとした会話でも「格」の差を実感します。

 

次は何行こうか、自分の気分では主要科目を先に行ってから副教科を攻めたいかな。

 

出版社の違う図工と音楽は後回しにして、算数、社会、理科、その次に生活と道徳って感じでいいんじゃないかな。

 

 

これ以降は算数→社会→理科→生活→道徳→図工→音楽の順番で審査していきます

2.3 算数

 

 

算数は昔食べてまずかった記憶がある。あんま期待できないな。

 

ムシャム….いやまずいな。パサついてるし、国語より紙が固く感じる。*2あと口に入れた時の風味が全然ない。

噛んだ後に出て来るエキスがまっずいわこれ。序盤、中盤、終盤スキがなく外れだな。

 

予想の通り、算数は二人とも低評価!
今までの評価を図にまとめると….

 

こういう事ですね。最終的に、この表の左上に残っていた教科書が優勝となります。次は唯一の三年生教科書の社会理科です。

 

2.4 社会、理科

味、国語とも算数とも違うな。あれ、旨くね?

 

旨いわ。なんか、風味が上等なんだよな。後味も悪くないな*3国語より上かもしれない。

 

俺も結構好きだな。国語より上でいいと思う。

 

これガムに向いてるかもな。噛むと唾液が出るから虫歯予防にもなるし、文科省は社会を正式にガム用教科書に認定した方がいい。

 

結果としては国語の上に!次は並んだ主要科目の理科の評価へ移ります。

まっず

 

これ、算数より下だわ。

 

理科はまさかの算数を下回るという結果に。
実際のやりとりでは、理科の部分だけ一瞬で講評が終了し、二人ともまずいと繰り返すマシーンになっていました。
実験中に物を口に入れてはいけないことを教科書でも実感できます。

 

そして現状のランキングがこれです。国語は初代M-1中川家のように一番手で逃げ切れませんでした。

 

2.5 生活、道徳

 

生活はわからないな~。大当たり大外れかって感じがする。そもそも生活って何をする科目だっけ?身の回りのことについて学ぶのか?(教科書をめくる)

 

道徳とやることがかぶっている感じある。多分、低学年でしかやらないよね?

 

あー写真見てたら思い出した。やじろべえを作らされた記憶がある。

 

俺はドングリでコマ作らされたわ

 

昔の遊び道具を作るだけの科目なのか?

 

 

家に帰ったら手芸用のドングリがあったのでドングリコマを作ってみました。

クソゲーです。

 

ですが、教科書をよく見ると、服の畳み方を練習したり、外で虫を探したり、教室全体で体を使ったレクリエーションをする科目でした。本当に生活の役に立つ授業かもしれません。

 

初手で風味すげぇな….でも硬さは普通だな。

 

確かに風味すごいな。でも後味も結構いいかも

 

後味、国語に似てない?風味の強い国語って感じな気がする。

 

う~ん、俺は国語の方が好きかな。位置づけとしては国語のちょい下ってところか

 

生活は現状の三番手に決定。この後の選手によっては表彰台も狙える位置です。そして最もアンチの多い科目である道徳に続きます。

小学一年生の道徳ってどうなのかな。なんか覚えてる?

 

記憶に全くないわ。面倒な科目って思ってた覚えしかない。

 

一つくらい良いのないかな….お、この「ええところ」って奴よさそうだな。

 

主人公の「わたし」はなにも良いところがない。それを友達のともちゃんに言うと、彼女は手が暖かいところが「わたし」の良いところだと言ってくれた。その日、「わたし」は掃除で冷えたみんなの手を握って温める。その結果、自分の手は冷え切ってしまい、「わたし」は良いところがなくなってしまったと涙をこぼす。それに対してともちゃんは「自分の手を冷やしてまでみんなの手を温める。みんなに優しいところがいいところだ」と言葉を掛けた。
「わたし」はともちゃんのように他の人の良いところをいっぱい見つけて、言ってあげたいと思った。

百合じゃん、最高

良い百合見せてもらったわ。これが一年生の教科書に載ってるなんて日本の未来も明るいな。

 

予期せぬ良い話でテンションが上がる審査員たち。もちろん二人とも好きなアニメは「ゆるゆり」です。そして肝心のお味は?

 

お、結構旨くない?風味が凄い良い。

 

社会の風味がさらに良くなった感じ。舌触りもいいしトップでいいんじゃない?

 

分かる。まさか国語を超える教科が二つもあるなんて….

 

 

全体的に文系が上位を占め、理系が下位に来ています。
良い教科書を食べると子供は快活に育つ
尾木ママに「ホンマでっか!?TV」で主張してみてほしいですね。

 

2.6 図工、音楽

こっからは別会社か。どんなもんかね

 

図工の教科書ってテラテラしてて美味しくなさそうなイメージがあるな。アラビックヤマトとかの対抗馬もいるから食べた記憶がない。

 

アラビックヤマト?直でいくの?

 

そのままは死の恐怖を感じるから絶対にやらない方がいい。塊にしてから食べるのが一番いい。

 

ひと手間をかけるな。というか直でいったことあるんかい。

 

 

 

まずい。舌触りがわるいな….硬くて。理科タイプかもしれない。

でも理科よりはまだマシじゃない?パサつきはないし算数よりチョイ上レベルな気がする。

 

 

理科に続き、低評価が出ました。やはり実習で使う道具を口に入れてはいけないという文科省からの警告なのでしょうか?


ただ友人は絵の具を全色制覇したと言っていたのでその効果は全く見込めなかったようです。

 

 

図工はダメだったかぁ。最後の一冊に残った音楽はどうなのか。

 

俺、音楽は食ったことないかもしれないんだよね。リコーダーとか吹いてて口が寂しくならないし。

 

俺もないかなぁ。音楽って一番の盲点なのかも。最後だし、せっかくだから贅沢なところいっちゃうか。

 

 

フルーツケーキを持ち、かぶりつきます。その味は果たして….

 

お、これは….

 

風味はいい。舌触りもいいな….後味も悪くない。え?これマジで一番じゃない?

 

これは総合的に一番旨いな。後味がしつこくなくていくらでも行ける感じがする。

しかも、音楽の時間って国語と違って退屈でもなく、楽器を吹くから口寂しくもないんだよな。

教科書を食べたいという純粋な気持ちを持った人間にしかたどり着けない味ってのもすごい。

 

 

 

 

というわけで優勝は

音楽に決定!

 

そして最終的なランキングがこちらになります。

 

国語はまさかの全8教科書中4位という結果に。
ここまで読んだ人はこれから「国語の教科書が一番旨い」と言ってる奴を見かけたら「浅いね」とマウントを取る事が出来ます!おめでとう!

 

 

 

え?主観的すぎて信頼性に欠ける?全く味の想像ができない?

 

えー....

 

 

 

 

 

 

ちゃんと教科書を買って

自分でお調べください。

 

 

 

 

 

 

...実は本文には書きませんでしたが、かなり衝撃的な出来事がありました。

それは道徳の審議後の事です。

いやぁ、それにしてもこれ (「ええところ」) 良いなぁ。他になんかないの?

 

あるかなぁ…..いや逆に嫌な気持ちになるのなら「それって、よくないよ」ってのが一つ後にあるんだけど。

 

友達のまさくんが滑り台の横入りをしようとする。主人公の「ぼく」が毅然と言い返し謝らせる。それだけ。

良い友情の話の後にこれかい。落差がひどいな。

 

最悪だな。もう抹消した方がいいよ (教科書を破る)

一応は主人公正しいこと主張してんだし流石にそこまでしなくても
ってえ!?ページ丸ごと破るの?

 

 

道徳の破り取ったページ片手にずっと笑わないでくれ。マジの思想の人にしか見えないだろ。

 

食いきれるかな….いただきまーす。

 

俺が食べることで、この話の存在を消します。

チェンソーマンのデンジと発想が一緒じゃん。ってか話の内容、写真に撮ってないから分かんなくなっちゃった。

 

 

実は「それって、よくないよ」の要約が一瞬で終わった理由は、食われて確認できなくなったからでした。
これもう本当にチェンソーマンじゃない?

 

後日LINEで大丈夫だったか確認すると


どうやら食べられた話が復活することはないようです。


この検証の後、自分は腹をメチャメチャ壊しました。
先ほど自分でお調べくださいと言いましたが

絶対にマネしないでください。

*1:教科書には最初に通り抜ける特有の味があります

*2:教科書には固さがあり、これがあるほど噛み心地が悪くなります

*3:教科書は噛むと出てくるエキスに違いがあります